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March 2010

第57回 紙の消費減少

 古紙問屋の立場からみると古紙は商品そのものです。その商品の発生が最近ジワジワと減っています。2009年、古紙回収率は79.7%と過去最高を記録しましたが、古紙回収量は21.6百万トンと回収量が最高だった2007年23.3百万トンを7.2%下回り、2004年(21.5百万トン)のレベルまで下がりました。


 古紙の回収量は、国内で消費される紙の量、つまり、紙板紙の内需の影響を受けます。その国内の紙板紙需要は2007年(31.9百万トン)から下がり始め、世界同時不況の大波を受けた2008年から2009年にかけて大きく落ち込み、その流れがとまらず今日まできています。
日本製紙連合会がこの1月に纏めた2010年紙板紙内需試算を見ても27.6百万トンと2009年から微減の予想です。
品種ごとの傾向をみると紙では新聞用紙と印刷情報用紙が2007年から減少傾向が続いてとまりません。新聞と出版に何が起こっているのでしょうか。


 この一年間の需要動向について、特に、新聞・出版に関係する本・雑誌が立て続けに出版されています。その中で本稿に関わるところをご紹介します。


「新聞・TVが消える日」猪熊建夫著 集英社新書(2009年2月)
・著者は、今日の電子メールやブログの隆盛から、若者や青年を「活字離れ」「文字離れ」と決めつけるのはやめたほうがいいとし、新聞、本、雑誌からの「紙離れ」が正解としている。

  
「2011年 新聞・テレビ消滅」佐々木俊尚著 文春新書(2009年7月)
・著者が、2008年からアメリカで始まった新聞業界の地滑り的な崩壊は、3年遅れの2011年、日本でも起きる、と予言。その崩壊とは、米国の新聞業界が得ていた年間160億ドル(1.4兆円)の広告費が2004年からものすごい勢いでインターネットの無料広告に浸食されてきており、この無料広告が米国の新聞業界を破滅に追いやろうとしている、と指摘。

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第56回 食べられる紙

以前、中国の露天商が、段ボールを挽肉に混ぜて肉まんとして売っていたというニュースがありました。これは、段ボールを苛性ソーダで溶かして騙して食べさせたということですが、今回の話はそうではありません。他に食べ物がなくて仕方なく、というお話です。


以前ご紹介した紙の博物館編「紙のなんでも小事典」に「食べられる紙」と題して人間がその昔、紙を食べたという記録が紹介されています。


江戸時代後期、ペリーが浦賀に現れる少し前まで活躍した佐藤信淵(さとうのぶひろ) という学者が1827年に著した経済書『経済要録』の中で述べたものです。以下、引用します。

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