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第55回 紙の特徴(紙はどのくらいの水を吸うか)

王子製紙は昨年「紙の知識100」という本を上梓しました。その中にこれまでの「紙」に関する本とはちょっと違った視点で紙の特徴について述べた箇所がありましたので、ご紹介しましょう。題して、「紙はどのくらいの水を吸うか」です。以下、しばらく引用してみます。


「生活の中で利用されている、ティッシュ、トイレットペーパー、キッチンタオルなどの紙。これらの多くに、パルプの優れた吸水特性が利用されています。
いまは目にすることもなくなりましたが、特に吸水性を高めた紙として『吸い取り紙』というペン書きインキを吸い取るものもありました。
では、紙はどのくらいの水を吸うことができるのでしょうか。
乾燥した紙を平均的気候条件(気温20℃、湿度65%程度)の部屋に長時間置くと、紙の水分は約9%で落ち着きます(平衡水分といいます)。
例えばティッシュは、紙から水が垂れ落ちない限界としてざっと90%まで水分をふくむことが可能です。紙は最初から約9%の水を含んでいますので、100gのティッシュのうち乾燥している部分は91gであり、これが水分を90%含んだ状態になるとティッシュは910gになります。100gのティッシュが水を819g吸収したわけで、つまり、ティッシュはもとの重さの約8倍程度の水を吸い取ることができるわけです。」
ちょっとややこしい計算を披歴していますが、要は元の重さの約8倍水を吸っても水が垂れずパルプの塊のままの状態でいるということです。すごいですね。


なぜこんなに水を吸えるかについては、「パルプが木綿と同じようにセルロースという化学成分でできていて、その中に『水酸基』という水によく似た化学構造の部分が非常にたくさん含まれているから」とし、「いったん水を取り込むと、なかなか放そうとしません。」「木綿のシャツはよく汗を吸い取ってくれますが、いったん濡れると乾きにくいのと同じ原理です。」と、結んでいます。


国内製紙メーカーでは古紙受入時、独自の水分基準を持っています。
昔、某製紙メーカーの古紙受入担当には古紙プレス品の番線を切って中を割り、手のひらで触って水分率を的中させる名人がいました。このような方にかかると、次から次へと厳しく基準を超えた水分の量だけ受入数量から差し引かれてしまいます。


関東の古紙問屋としては、比較的晴天が続く冬の間の古紙プレス品の水分管理には余り気を使いませんが、梅雨時の管理は大変です。水分率が高い周囲の雰囲気が大きく影響します。なるべく濡らさぬよう注意してはいますが、倉庫の軒下からはみ出した古紙はシートを被せても完ぺきではありません。従って、プレス品を作ったら在庫を持たずすぐ出荷する心掛けを大切にしています。
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