- 2010-04-27 (Tue) 02:22
- 古紙の常識
イザヤ ペンダサン著「日本人とユダヤ人」のなかで、「日本人は水と安全はタダだと思っている」とし、当時の日本人の“常識”に対し警鐘を鳴らしました。40年たって、日本人が日常的にコンビニで「ミネラルウォーター」を買う時代となり、意識もだいぶ変わってきました。少なくともタダではないという意識にはなっています。じゃー、世界の水の現状はどうなっているのだろうかという疑問に対して一つの答えが前回の話題「仮想水」を取りあげた同じナショナル ジオグラフィック誌4月号に出ていましたので、今回は古紙の話ではなく、「水」を再び取り上げてみます。
その前にまず、地球の水の話。地球上の水の97.5%は塩水(海水を含む)で、残り2.5%が淡水。淡水の内、約7割が雪と氷という形で凍っていて、残りの地表水と地下水はごくわずかだそうです。つまり、地球の水全体の1%足らずが利用できる淡水です。量にすると3京5020兆立方メートルといわれています。数字を挙げれば普通はイメージが湧くものですが、「京」の世界では全くピンときません。
その前にまず、地球の水の話。地球上の水の97.5%は塩水(海水を含む)で、残り2.5%が淡水。淡水の内、約7割が雪と氷という形で凍っていて、残りの地表水と地下水はごくわずかだそうです。つまり、地球の水全体の1%足らずが利用できる淡水です。量にすると3京5020兆立方メートルといわれています。数字を挙げれば普通はイメージが湧くものですが、「京」の世界では全くピンときません。
その貴重な淡水(地表水・地下水)を水道水として私たちは利用しています。
そこで世界各地の水の値段を水道料金としてご紹介します。この調査をしたのは英国の調査・分析する組織「グローバル・ウオーター・インテリジェンス」。自治体が運営する水道で月に15m³の水を使用した場合の1m³当りの値段として掲げます。
(2009年、単位:日本円)
札幌 205円
東京 176円
広島 165円
熊本 247円
ソウル 51円
上海 28円
北京 49円
香港 49円
台北 27円
マニラ 38円
ホーチミン 32円
シンガポール 146円
ジャカルタ 68円
シドニー 383円
ブリスベーン 357円
オークランド 347円
ドバイ 194円
ヨハネスブルグ 43円
ダカール 68円
ローマ 117円
ニース 394円
ベルリン 600円
コペンハーゲン 816円
モスクワ 78円
バンクーバー 151円
オタワ 208円
ニューヨーク 190円
デトロイト 268円
サンディエゴ 392円
デンバー 125円
サンティアゴ 104円
ブエノスアイレス 13円
サンパウロ 156円
リオデジャネイロ 80円
随分と価格差があるものです。この一覧表でもお分かりのように、昔の日本人の“常識“は大きく崩れました。日本の水はいまや安い方に入らない。いろいろ条件の違いはあります。日本のように安心して水道水を飲める国と、そうではない国があります。また、水源が地表水(河川、水路、ため池)なのか、地下水なのかでおそらくコストも違うのでしょう。
水道水源に占める地下水の割合は、ドイツ72%、フランス65%、日本は約30%です。日本の中で水道水が一番高い熊本はその都市圏90万人に100%地下水から供給しています。阿蘇地域などから流れ込み湧き出た地下水はおいしく、安全性も高いと言われています。
最近、海外の投資ファンドが日本の森を買うという動きが見られます。貴重な水源が外資の手に渡る可能性があるということです。
「日本人とユダヤ人」が発刊されたのが1970年。少なくとも「水」に対して日本人は環境問題の高まりからもこれを守らなければという意識は確実に育っているといえます。
参考文献:「ナショナル ジオグラフィック」2010年4月号
「奪われる日本の森」平野秀樹・安田喜憲著 新潮社
そこで世界各地の水の値段を水道料金としてご紹介します。この調査をしたのは英国の調査・分析する組織「グローバル・ウオーター・インテリジェンス」。自治体が運営する水道で月に15m³の水を使用した場合の1m³当りの値段として掲げます。
(2009年、単位:日本円)
札幌 205円
東京 176円
広島 165円
熊本 247円
ソウル 51円
上海 28円
北京 49円
香港 49円
台北 27円
マニラ 38円
ホーチミン 32円
シンガポール 146円
ジャカルタ 68円
シドニー 383円
ブリスベーン 357円
オークランド 347円
ドバイ 194円
ヨハネスブルグ 43円
ダカール 68円
ローマ 117円
ニース 394円
ベルリン 600円
コペンハーゲン 816円
モスクワ 78円
バンクーバー 151円
オタワ 208円
ニューヨーク 190円
デトロイト 268円
サンディエゴ 392円
デンバー 125円
サンティアゴ 104円
ブエノスアイレス 13円
サンパウロ 156円
リオデジャネイロ 80円
随分と価格差があるものです。この一覧表でもお分かりのように、昔の日本人の“常識“は大きく崩れました。日本の水はいまや安い方に入らない。いろいろ条件の違いはあります。日本のように安心して水道水を飲める国と、そうではない国があります。また、水源が地表水(河川、水路、ため池)なのか、地下水なのかでおそらくコストも違うのでしょう。
水道水源に占める地下水の割合は、ドイツ72%、フランス65%、日本は約30%です。日本の中で水道水が一番高い熊本はその都市圏90万人に100%地下水から供給しています。阿蘇地域などから流れ込み湧き出た地下水はおいしく、安全性も高いと言われています。
最近、海外の投資ファンドが日本の森を買うという動きが見られます。貴重な水源が外資の手に渡る可能性があるということです。
「日本人とユダヤ人」が発刊されたのが1970年。少なくとも「水」に対して日本人は環境問題の高まりからもこれを守らなければという意識は確実に育っているといえます。
参考文献:「ナショナル ジオグラフィック」2010年4月号
「奪われる日本の森」平野秀樹・安田喜憲著 新潮社
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